戸田奈津子に捧ぐ
 
最近おかしな日本語をよく耳にします。いや別に、最近の若者の言葉が汚いとか、どこかの教授や語学者が言うのとは違います。言葉は時代と共に変化するものですから、それが時代の流れと共に当たり前になってしまえば良いだけですので、とやかく言うつもりもありません。しかしですね、時代の流れ以前に、ぽっと出の明らかにおかしい日本語とかあるわけですよ。必ず最初に言い始めた人がどこかに居るわけですので、その彼に会ったなら是非問い詰めてみたいところです。

「もっとも〜なもののひとつ」という表現をよく耳にします。こんな日本語は聞いたこともありません。いや、よく聞くんでおかしいと感じます。最もというのは1番ですので、それは唯一でなくてはならないんですが、例えば「最も高い山のひとつ」。エベレストじゃないんですかねそれは。それとも時々K2とかダウラギリに抜かれるんでしょうか。そうでないと日本語というか、私の頭がおかしいことになります。だからって私がマトモだと主張する気もありませんが。それともあれですかね。観光協会のエゴかなんかですかね。「うちの山が1番高いぞ!」「いやうちだ!」とか。そこで「もっとも高い山のひとつ」として和解した、とか。なんとなくこれなら納得できないこともありません。

けど実際は"one of the highest mountains"という英語表現の翻訳に失敗した。というところが正解ではないでしょうか。中学の時に比較級最上級って習いましたよね、それです。直訳しかできないお固い語学者が自爆したんではないでしょうか。映画の字幕とかって結構いい加減な意訳じゃないですか。けどちゃんと内容が伝わって、会話に人間味もあります。意味さえ通じればいいわけで、もうちょっといい加減に訳せばよかったんじゃないでしょうか。「世界最高峰クラスの山」とか「登るには無理がある」とか。

他におかしいと感じる日本語ですが、結婚式で司会者が1発目に「本日はまことにおめでとうございました」と。失礼じゃないですか。過去の出来事なんですか。初っ端に宴が終わってしまうんですか。あなたは正月に「あけましておめでとうございました」と挨拶廻りをするんですかそうですか。

もうひとつ挙げさせてください。私はコンビニで働いているんですが、業界用語ってことになるんでしょうね、「いらっしゃいませおはようございます」。10年前はこんな挨拶はありませんでした。きっとどこかのチェーンが差別化を図ろうと始めたことなんでしょうが、いらっしゃいませとおはようございますを繋げるのは、これは私だけでしょうかね、感覚的に無理があると感じています。いらっしゃいませだけで充分に感謝しているじゃありませんか。おはようございますだけで充分に歓迎しているではありませんか。なんだかしつこいんですよね、言いにくいですし。しかも10時半とか中途半端な時間帯だとそろそろこんにちはだろうかなどと無駄に悩み、店員があっちでおはようございます、こっちでこんにちは。挙句の果てには夜勤明けが混じっていてこんばんわなどと言ってしまう始末。働きながら苦笑してしまう瞬間です。
 
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