もったいないおばけ
 
世の中にはゴミ屋敷と呼ばれる家があります。ゴミ屋敷でなくとも、ゴミだらけの部屋や掃き溜めのような部屋が、時折TV等で紹介されています。これには心の病気が関係している場合もあるようですが、問題なのはそうでない場合です。皆さんの周りにも1人や2人くらいは居るはずだと思います。モノを捨てられない人が。彼女や彼氏はぽいぽい捨ててしまうくせに、モノがどうにも捨てられない。ゴミ部屋予備軍です。

私はぽいぽい捨てるほうです。なんでも捨てます。しかし必要なモノまで捨てて、後で慌てることがしばしばというのも悩みではあります。例えば家電の説明書とか箱とか保証書とか当たり前に捨てますが、先日に市民税の申告書を捨ててしまったのには我ながら参りました。申告してなかったおかげで随分と国民保険料が高くなり、結局役所へ自分の足で申告に行く羽目になってしまいました。

キレイ好きかと問われればキレイ好きなのですが、掃除とか整理整頓が面倒なのでいらないと判断したらその場で捨ててしまうわけです。掃除も整理整頓も、モノがなければ随分と手間が省けるじゃないですか。そもそも必要かもしれないと思って押し入れにしまっておいたとしてもですね、大抵はしまっておいたことが思い出せないものです。だったら捨ててしまっているのと同じことじゃないですか。どうしても必要なら新しく買えばいいわけですし、そんなに必要なものであればさすがに捨てたりはしませんよ。とは言いつつ探し物が絶えない毎日を過ごしています。

前回のテキストで少し触れましたが、私の彼女はモノを捨てないほうです。お互いにどちらの感覚が正しいかとかは、白黒つけるには殴りあうほかはありませんのでそれは無理ですが、明らかにおかしいということはあります。なんだかよくわからないんですけど、レシートを取っておくんですよ。3年前のレシートとか平気で財布に入れています。
「そんなん捨てなよ。なんで持ってるの」
「小遣い帳つけようと思って取っておいてあるの」
「へ?小遣い帳なんてつけてないじゃん」
「うん。だから小遣い帳つける時にレシートなかったら困るでしょ」
困るのはその感覚だと思います。
ガソリンスタンドのレシートとか、5年くらい前からたまっています。いらないと思って捨てようとしたら文句言われました。
「捨てないで」
「いらないじゃん。なんで持ってるの」
「燃費とか計算する時にないと困るでしょ」
「燃費とか計算してたことなんてあったっけ」
「たまにしてたことあるよ」
「へぇ、それで燃費計算して、どうするの」
「今回は燃費良かったなーとか、燃費悪かったなーとか、わかるでしょ」
「そうなんだ。で、燃費悪かったら走り方変えるわけ?」
運転はいつもお任せなんですが、見てると普段からまるで一緒の走り方です。燃費を計算するだけで燃費が良くなるなんて話、聞いたことがありません。小遣い帳だってそうですね。データ取りして、それを生かさねばならない。データ取りだけで満足しているようじゃ意味ないです。参考書買っただけで勉強ができるようになったと思ってしまう学生と一緒ですね。私がそうでしたから。ちなみに私も小遣い帳はつけていたことがあります。毎月いっぱいいっぱいなので、なんとか無駄を見つけようと考えたんです。その結果なんですが、無駄がどこにもないという結論に達し、最終的に小遣い帳をつけること自体が無駄だという結論に至りました。
 
back