犬も歩けばアホに当たる
 
スキミングの被害が近年激増しているそうです。盗んだカードや偽造カードで勝手に金を下ろしてしまう犯罪です。クレジットカードはある程度の保障や保険はあるそうなんですが、キャッシュカードにはそれがないそうで、やられたらやられっぱなし、盗まれたら盗まれ放題というのが現状のようです。

被害者は決まってこう言っています。「まさか自分が」「被害者になって初めてわかった」等々。そう言いたい気持ちがわからないでもないですが、「私はアホです」と豪快に斬り捨てているとしか思えません。それとも自分がアホだと確信があってこその自虐的発言なのでしょうか。もしアホだという自覚なしにそう発言しているのであれば、本物のアホに違いありません。だって暗証番号がなくちゃ下ろせないんですよ。どこかで親切に教えているんですよ。某TV局でのアンケートでは、暗証番号が生年月日もしくは電話番号が5割。別の某局では4割との回答があったそうです。街中を歩いていてすれ違う人の4割がアホだったとは今まで考えたこともありませんでした。

たった4桁しかないんですから。ATMを巡り巡って根気良く1万回試されるだけも盗まれる可能性があるというのに、わざわざヒントになるようなものを財布やバッグに入れて差し上げるというのは考え物です。泥棒に追い銭そのもの、むしろそれよりひどいかもしれません。確かに覚えていなくては困る番号ではありますが、この手の犯罪は以前からあったわけですし、誕生日や電話番号はご法度だとずっと言われ続けているのです。たった4桁なんですから、他にどうにでも番号を振り当てることはできるじゃないですか。微分積分ができるのに4桁の番号が覚えられないなんてことはないんです。それともゆとり教育の弊害ですかね。円周率も3.14からいつの間にか3になってしまいましたしね。

しかし本来であれば銀行がどうにか対策をするか、国がきちんと法整備をしなくてはなりません。キャッシュカードの契約書の約款には「盗まれたカードで下ろされてもそれはあなたの責任です」と、臆面もなく堂々と書いてあります。つまりこれは犯罪に対して万全でない片手落ちのサービスを提供していますと宣言しているようなものです。欧米ではすでに対策の法整備がなされ、クレジットカード並みのローリスクで使えるようなので、いずれ日本もそうなるでしょう。犯罪に対しての法整備が欧米に比べて遅いのが日本ではありますが、逆を言えば平和で良いのかもしれません。

ところで個人的には、例えカードを盗まれようが盗られる金はありません。メイン以外の口座には手数料にすら足らない金額しか入っていませんし、メインにいたっても盗っ人をくたびれ儲けさせるだけの自信があります。しかし暗証番号だけは自分となんら縁のない番号にしてあります。いつなんとき大金を拾うかわかりませんから。
 
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