家庭用ポップンミュージック2が出た頃から今日まで三年近く、私の相棒であり私の頭痛の種でもあった、真・ポップンコントローラーexがやっっっと完成しました。本当に長かった。コンテンツの更新を待っていた方にはもっと長く感じられたことでしょう。ホントお待たせしてすんまそん。
DC版のポップン2からPS2版のポップン7まで共に歩いてきたこのコントローラー……最後に何かを語ろうと思っていましたが、すごく筆(キー)が重いです。もう、なんというか。百聞は一見に如かず、という言葉を思い出しますね。
このコントローラーが体験した歴史の中で特に衝撃的だったのは、やはりコナミスタイルでアーケードスタイルポップンコントローラーの作成が決定したときでしょうか。予約者が1500人集まらないと制作しない……あの時はうちのサイトからも応援バナー貼ったっけなぁ。
割とよく訊かれる質問の中に、苦労して作ったコントローラーがあのように発売されるのってどう思うかというのがあるんですが、一番に思ったのは「スゲェ!」であり「ついにやったか!」でした。「作って損した」とは微塵も思わないんです。
やっぱりあれは、もう「我が身」の一部なんだなと思いました。
だからゲームショウで試作モデルが公開されたときも、血を分けた兄弟に会いに行く感覚でね……。家庭用コントローラーに特化して作られたその構造に強い感銘を受けたものです。そして最後に心に残ったのは「負けていられない」っていう感情ね。これだけのものを見せられたら、こちらも必殺技を用意するのが礼儀ってもんでしょう。
あー、でも私はアーケードスタイルポップンコントローラーをかいかぶりすぎていた一面があったかも。材質が安っぽいとか、騒音が思ったよりも酷いとか(ゲームショウの会場では騒音そのものが聞こえなかった)、そういうのではありません。
ボタンの大きさ、間隔が違っているというのがなによりも許せなかったのです。
ものを作る、ということを仕事にした経験のある人間から言わせてもらえば、オリジナルと大きさすら合わせられない、というのは論外です。コナミスタイルにおける、ものづくりの意識の低さが露呈したようで、むしろ私はそれに腹を立てたんです。ここまでやるならなぜ最低条件である大きさすら揃えられないのか、と。
それを除けば、あれは家庭用コントローラーとしてはかなり凄いもの(素体)であると思っています。私があれだけ苦労して作ったものが、あそこまで安価に手にはいるのですから。消音工作は必須ですが、なに、そんなものは思い出の1ページですよ。
ちょっと話がイヤな方向に流れた。軌道修正する前に、イヤなものをもう一つ処理しておこう。お金の話だ。
よく訊かれる質問にこれまた、作るのにいくらかかったかというものがあります。初代を完成させたときは全体を把握するという意味でトータルの金額を出しましたが、今回は計算していません。必要なものを、必要なだけ買いました。
トータル金額を出さなかった理由を今あれこれ自問自答してみたのですが……おそらく私は、お金という誰が手にしても同じ定規で「あれ」の価値を計られるのを嫌がったのだろう、と自己分析しています。ポップンを知っている人がそれを見て、「!」と思ってくれたらもうそれで満足です。値札をつけてショーウィンドーに入れるつもりはありません。あのコントローラーは、今あるポップンを、これからのポップンを楽しむために存在するのです。
あ、でもね、レシートは保管してあるよ。合計金額出してないけど。レシートは全部、真・ポプコンの中に入れちゃったけど。画像にも写ってるけど、おいらにしかわっかんねぇだろうなぁ。
軌道修正。名前の話。
真・ポップンコントローラーexってのが正式名称なんだけど、なんで『真』の文字が付いてるのかは解るよね。もちろん、元ネタは「真・ゲッターロボ」です。てへ。スパロボからはいったクチです。こんな雑談が出来るのも、あとがきの良いところ。
最後の『ex』は、小文字なのがミソ。EXステージ、EX譜面のことではなく「ポップンステージex」のexです。前よりも進化したもの……という意味で使っています。そして同時に、消えゆくものから何かを形見分けしてもらいたかった、という願いも込められています。うわっ、縁起でもなかったか?
何にせよ、無事に完成して良かった! かなり長い間ジオングのように未完成のまま使ってましたからね。コンテンツも長い時間をかけすぎたせいで、文章に統一性が出なかったのがなんか残念。でも、当時の息吹を大事にするため、あえてそのままにしています。ていうか、ガンダムネタは平気? パーフェクトジオング。
「よっしーさん、こんなところで何をしているんです!」
「ゲーセンはいい。最新情報が一番に入ってくる。
そうだ、おまえのポプコンにこれをつけろ」
「これは……?」
「これを付ければ、おまえのポプコンの性能は数倍に跳ね上がるはずだ」
「……(こんな旧型のDCの基盤……まさかよっしーさん、酸素欠乏症に……)」
「明日には大会だ、早く行け。おまえはポッパーだろう!」
※無論基盤は後で投げ捨てられる運命
後日、ポップン大会がテレビ中継される
「えぇい、大会の様子はいい、ポプコンだ、ポプコンを映せ!」バンバン!←テレビ叩く音
例の基盤はもちろん組み込まれなかった真・ポプコン。好成績で第一回戦を抜ける。
「ハハハ……あれならば勝てるぞ。優勝だ! バンザーイ、バンザ……」
そして階段で足を滑らせてリタイア。そんなステキ人生。
あぁ……書きたいもの書いてスッキリー。
ていうかこれもうあとがきか?
とめどないので、この辺でお仕舞いにしましょう。
もし……もしも、私の胸からポップンの灯が消えたように見えたときは、ポプコンを指さして叱ってやってください。
「やめてくれ、ぼくはもうポップンは止めたんだ」
「やめませんよ、よっしーさん!
あれを作ったときの情熱はどこへ行ってしまったんです!
どんなかたちであれ、あなたはぼくの英雄でした。
……知ってますよ、今の高難度曲がクリアできず、恐くなったんでしょう」
「カツ!」
「ここまで言われて悔しくないんですか、よっしーさん!」
「カツ、やめなさい!(背後から止められる)」
「地下に新型のポプコンを隠してあるぐらいのことは言ってください!」
Z(ゼータ)ガンダムネタも出せて思い残すこと無しっ。
あぁ、望むなら見せてやるとも。
地下工場の、新型ポプコンをなッ!
<完>
|