1998/12/13 更新 1998/12/15 挿絵更新
二度あることは三度ある。ジンクス、縁起が良い悪い。世の中にはなぜか分からないけどそうなってしまう事が多々ある。これはどうして起こるのだろう。いろいろな事象を考察しながら、なぜなぜそれが起こるのかを考えてみよう。
索引
・実際にはありえない、パチンコのリーチ目
・世にも不思議な偶然の一致
・二度あることは三度ある
・因果とは何か?
・過去に共鳴する現在・未来(シェルドレイクの仮説をめぐって)
・結論
実際にはありえないパチンコのリーチ目 |
一度特集記事でも書いたが、パチンコのリーチ目と言うものは、理論的にはありえない。パチンコの当たり目はチェッカーを玉が通過中に抽選されるので、事前にリーチ目が発生することはありえない。もちろん、プログラム的にリーチ目を発生させるようなロジックが組み込まれている場合は除くが、そのようなパチンコ機種は1機種しか報告されていない。それと似たようなジンクスで、1000回転はまると出るとか、ある特定の目で当たりが出ると、その台は絶好調というのも、プログラム的、仕組み的には考えられない。
しかし・・・、である。本当はありえないはずのこれらの事が、巷ではなぜ信じられているのであろうか? 前に特集記事でも書いたが、データのサンプリングの仕方が誤っているのかも知れない。でも、これだけ信じられていて、本まで出ているということは、何かあると考えたほうが良いのであろうか? では、なぜリーチ目は発生するのだろう。
世にも不思議な偶然の一致 |
リンカーンとケネディの不思議な関係
二度あることは三度ある |
トラブルは連続する
提督は汎用機の基盤系の仕事を主にしている。特に専門はDB/DCで、関連して企業のオンライン系の面倒を見ている事が多い。前勤めていた会社は銀行系だったため、銀行のオンライン系の基盤部分をメンテナンスする仕事をしていた。銀行のオンラインは決して落ちてはいけないオンラインである。従って、連続何日トラブルなしに(落ちることなしに)稼動させられるかを目標としていた。本当に落ちないときは落ちない。1年落ちない事もあった。しかしである。一度小さなトラブルが発生すると、不思議なことに連続して落ち始めるのである。二度三度と。ソフトウェアーに起因したり、ハードウェアーに起因したり。この感覚は今でも変わらない。今でもトラブルが起こり始めると連続して起こるような気がする。
グリセリンはある日突然結晶化した
グリセリンは炭素が三つつながったアルコールで、甘味料や医薬品、化粧品に良く使われる身近な科学部質である。普通は甘味のある吸湿性の液体として存在しているが、ある温度以下になると結晶になる。ところが、その結晶化に対して、とても信じられない逸話が残されている。ある日を境に、液体のグリセリンが世界中で結晶化しはじめたというのである。
今から250年前、グリセリンが天然樹脂から初めて抽出されたころ、グリセリンは決して結晶化しなかったそうだ。普通、化学物質の結晶を作るには、その液体を加熱してから冷やせば良いのだが、その時のグリセリンはどんなことをしても結晶にならなかったそうである。グリセリンの結晶体は無いと思われていた。ところが19世紀に入ってまもなく、怪現象が起こった。一樽のグリセリンが、ウィーンの工場からロンドンに運ばれる途中のことであった。どうしても結晶にならなかったグリセリンが、樽の中で突然結晶化したのである。これに興味を持った化学者たちはその結晶を分けてもらい実験してみると、確かにグリセリンは結晶化した。それは摂氏17度前後を境にして起こった。
同じころである。カナダのブリティシュコロンビア州にあるジャイアント・パウダー・カンパニーという化学会社の工場のグリセリンが結晶化していた。それを知ったカリフォルニア大学のG・E・ギブソンとW・F・ギアウケはその結晶を分けてもらった。彼らは化学会社から分けてもらったグリセリンの結晶を核に使って実験してみると、液体グリセリンは容易に結晶になった。不可解なことはそれから起こった。その化学会社の結晶が届いてから、それを結晶の核に用いなくとも、実験室のグリセリンは容易に結晶化するようになったのだ。そして今では、世界中のグリセリンは17度以下で結晶化するのである。
ところで、このような現象は昔に限って起きた話ではない。現在でも良く見られる現象だそうだ。世界各地の実験室で、毎年千を超える新しい化学物質が合成されている。それらの物質は初めはきわめて結晶化しにくいが、いったんある形に結晶化すると、今後は容易に同じ形の結晶が得られるのだそうだ。なぜこのようなことが起こるのかは、科学的には明らかにされていない。
(サンマーク出版 なぜそれは起こるのか より要約)
因果から考えてみる |
過去に共鳴する現在・未来(シェルドレイクの仮説をめぐって) |
ルパート・シェルドレイクという、イギリスの学者がいる。ケンブリッジで生化学の博士号を取った。彼は面白い仮説を立てた。彼の仮説を要約するとこうなる。『現在自然に存在する生物の特徴的な形と行動、また、物理的、化学的なあらゆるシステムの形態は、過去に存在した同じような形態の存在の影響を受けて、過去と同じような形態を継承する。それは「形の場」による「形の共鳴」とも呼ばれるプロセスによっている。』 遺伝現象も、彼に言わせると少し味がつく。彼は、遺伝は遺伝子の働きによるという考え方を否定しない。しかし、彼は、全ての遺伝はDNA(物質的レベルに分解して)だけで説明はつかないと主張する。すなわち、DNAによる遺伝ばかりでなく、過去に存在した同じ種の生物の「形の場」からもその形質を受け継ぐと言うのだ。つまり遺伝現象は、遺伝子と、過去に存在した同じ形からの「形の共鳴」の両方から成り立っていると考える。彼は、これらをラジオの放送に例えて説明する。ラジオのスピーカーから音が出るという現象は、ラジオの機械セットとそれを動かす電源、更にラジオのセットが同調するラジオ局からの電波がなければならな
い。これらの要素がそろって、初めてラジオのスピーカーから音楽が聞こえ始める。これと同じように、遺伝現象も遺伝子と、過去の生物との「形の共鳴」がないとうまくいかないというのだ。ラジオの機械セットは遺伝子に相当する。電源は遺伝子を動かすエネルギー。そして電波放送は、過去の同じ形から及ぼされるもの、「形の場」。そして電波への同調が「形の共鳴」に相当するという。放送局がすでに電波を発信しているのに、それが目に見えないからまったくその存在に気づかず、ラジオの機械構造ばかりを研究史、細部に分解する。それと同じ部品を作り出して組み立ててみると、再び音がでる。音はラジオが作り出していると確信する。これでは過ちであると指摘するのだ。
(サンマーク出版 なぜそれは起こるのか を参考にしました)
結論 |
過去の出来事が形の場を作り、現在に形の共鳴としてよみがえる。この理論を用いれば、このページで説明した偶然の一致の出来事もなんとなく説明がつく。しかし、なぜそれがあるのかを化学的に証明することなど現在の科学では無理だろう。私たちの態度は、ただそれはあったと捕らえるしかないと思う。それは私たちの人知を超えた不可思議なことだとしておきたいと思う。