1999/01/16 更新  


今月の特集
宗教法人の不思議
および新興宗教について考える

このページの索引
・日本の人口は本当は何人?
・新興宗教の本部は、なぜあんなに立派なのか?
・宗教法人を作るには。あなたも教祖になれるかも知れない。
・民衆は宗教に何を求めるか?
・では、なぜ人々は新興宗教で不幸になっていくのか。
・結論
 


日本人の人口は本当は何人

 提督は、日本の人口は1億2千万位だと記憶していたが・・・。どうやらそれは間違いだったらしい。50,623,354人。これは何の人数でしょう。これは色々な新興宗教に加入している人の人数である。それもこの数字は、新宗教ガイドブックに載っている90余りの宗教法人の信者数を提督が足してみたものである。ここに乗っていない新興宗教も山のようにある。本当は新興宗教に入信している人は何人いるんだ! ここにあげた数字だけでも、日本人はほぼ1/2の確率で新興宗教に入信している事になる。あの人も、あの人もそうか。驚くのは、日蓮正宗から破門されてしまったので有名な創価学会。教団発表の信者数は17,639,869人! 何と、日本人の1/7以上が創価学会に入っている。成人男女を84,000,000位とすると、日本人の1/5以上が創価学会。本当かよ。確かに多いとは思っていた。余談だが提督が昔好きで、ちょっとだけ口説いた女の人も学会員だった。そうだよなあ、これだけ多ければかなりの確率で当たっちゃうよなあ。提督は有名な新興宗教について、その信者数をもう少し調べてみた。約83万世界救世教、約43万人世 界基督教統一神霊協会、約17万大本教、約7万法の華三法行、約4千オウム真理教。こう見るとオウム真理教が意外と少ない気もするが。現在宗教法人として登録されている法人数は18万3千余り。この数も恐ろしい数だ。こんなにたくさん宗教法人があるとは・・・。調べて見たわけではないから分からないが、コンビニのファミリーマートより多いんじゃないか。更に驚くことに、これらの総信者数は、約2憶2700万人!おお・・・、日本人はこんなに多かった。国勢調査に参加していない人が1億人もいる。何でこんなになってしまうか? 提督なりに考えてみる。先ず,基本的に大多数の日本人はどこかのお寺の檀家になっている。これはみんな納得することと思う。お葬式を頼むのはお寺だし。ここでカウント1。また、多くの日本人は地元の神社に事ある毎に奉納を行ったり、祭事を頼む。生まれた時や七五三、成人式。ここでカウント1。自発的に新興宗教に入信した人がいたとしよう。当然新興宗教の方で+1されるが、その家が属しているお寺や神社からの減算はない。また、新興宗教の信者数にしても、誘われて一度か二度集会に参加して見ただけという人も加算されているだろう。 だからその殆どは幽霊信者だろう。オウムは違うような気もするが。

新興宗教の本部はなぜあんなに立派なのか

 新興宗教の本部、および神殿は、どれも驚くほど立派である。たった信者数4千人のオウム真理教の施設でさえあれだけの施設があった。信者数数万を超えれば山まるごと買い取って、そこに夢のような神殿を構築してしまう。恐ろしいほどのパワーだ。なぜ,そんな立派な神殿が必要なのか? その内の一つの要素として、信者獲得がある。実際ある宗教団体では、本殿を立派にしただけで10万単位で信者が増えたそうだ。見かけは大事という事だね。それでも、建築までに相当なお金がかかることは事実。それだけ信者ががんばっているという事だろう。提督も新興宗教に入っている知人が数人いるが、彼らは100万単位の寄進など最低単位だと思っている。また、宗教団体の収入は寄進だけではない。意外かもしれないが、宗教法人は法律的に『収益事業を行う事ができる。』としている。法人税法四条一項がそれにあたる。新興宗教はこれを積極的に利用している。その事業内容は33業種に限られている。税制上優遇されて、更に事業もできるとあれば、収入は大幅に伸びる。店員や従業員に信者を使ってしまえば人件費も殆どかからない。あなたがよく行くあの店も、どこ かの宗教法人の経営化も知れない。

宗教法人を作るには。あなたも教祖になれるかも知れない。

6畳1間あれば宗教法人は作れるとよく言われる。宗教法人を作るためには最低4つの物を用意しなければいけないらしい。
 
1.場所および崇拝対象
  これは信仰の中心となり信者が集まってくる場所と、崇拝対象を用意しなさいという事らしい。大丈夫だ。お金さえあればこれらは準備ができる。お寺でも教会でも神殿でも、お金で建つ。ご本尊何てその変の石でも神様ということにしておけばよい。本格的に仏像とかを手に入れたかったら、それなりにお金を払えば作ってもらえる。
 
2.教義
 うーん。これはお金でかえるかなあ。まあ、自分でそれなりに作れば良いのだけれど。よし、提督も基本教義を創作してみよう。『人間は根本的に弱いもので欲望の渦に飲み込まれていると自覚する事から始まる。』 『なぜ欲望に負けるのかは、本来実在しないこの世の物をあると勘違いして追いつづける誤った見解にある。』 『偉大なる全事成就悟牡牛真神は、人々をこの悪しき見解から解き放つ光を放っている。』 『この教団は全事成就悟牡牛真神の霊泉に入る唯一の道である。』 まあこんなもんだ。後、もう少し肉付けするために、物書きでも雇えば、完成するぞ。
 
3.教祖
 教祖および教団代表を用意しなければならない。これは自分がなっちゃえばいいや。もし、自分では威厳や神秘性がないと思ったら、人を雇っちゃえばいいや。
 
4.信者
 そうだよなあ、信者がいなければ宗教法人じゃないもんなあ。これは難しい。お金で解決はしにくいぞ。
鈴木京香と藤原紀香でも雇って、男をだますか? でもこれじゃフアンクラブだなあ。信者じゃないなあ。うーん、信者獲得が問題だ。じゃあ、民衆は宗教に何を求めるのだろう。それを次の章で考えてみよう。

民衆は宗教に何を求めるか

 鎌田茂雄氏著『無限の世界観』にこのように述べられている。『一般に新しい宗教が成立するためには、二つの大きな原因がある。一つは神通力をそなえた特異な宗教者が現れることであり、他の一つは、その宗教者の宗教体験の内容を説明するために、教理の組織者が出現する事である。』 なるほど、もっともだ。キリスト教で言えばイエスが神通力をそなえた特異な宗教者で、パウロなどの原始キリスト教団を作成した信徒が教理の組織者だろう。また、宋代の仏教史家賛寧(918年〜999年)は、経典を繰り返し読む意味について、次のように言っている。『いたずらに経典を多く読むだけではいけない。いちばん重要なことは神通力を得ることだ。』  当時の民衆レベルでは、高度で難解な仏教哲学は理解することができず、彼らの宗教生活には無縁な事であった(今でも十分難解で、理解しようとすら一般民衆はしていないと思うけど。提督は理解しようとしても分からない所がいっぱい)。それよりも神通力を現た僧が尊敬されたのだ。これは今でも変わらない。「新宗教ガイドブック」によれば、このわずか10年間の間に、1500もの新宗教団体が誕生したそうだ。2日半に1つの割合で新しい宗教が誕生している。なぜに伝統宗教ではなく新宗教がこんなに伸びているのか? それは、新宗教の殆どが「奇跡を売り物」にしているからだと思う。宗教哲学的な理論は二の次か、伝統宗教の焼き直しや捻じ曲げである。これが悪いとは言わないが。とにかく、人々は「奇跡」を求める。物理的な救いを求めている。病気、貧困、家庭内不和、その他色々。ぱっと直してほしいのだ。この気持ちは、わからないでもないし、別に根本的なところは別として、間違ってるとも思わない。今開いた傷口をふさいでから、次の事を考えるのは当然だと思う

では、なぜ人々は新興宗教で不幸になっていくのか

 これは、全ての人がそうだと言っているのではない。本当に幸せな日々を過ごしている方もたくさんいると思う。提督は宗教に対しては比較的肯定的な立場をとる。自分が生きていくための一つの基本となる考え方を持つのは非常に良いことだと思う。しかし、はたから見ていて、明らかにおかしいと思われる新興宗教がいくつもあり、そんなところには入らないほうが良いと思う。それをまとめてあげれば、以下のような特徴が挙げられる。
 
・奇跡を余りに前に出しすぎる。
  キリスト教でいう愛や、仏教でいう慈悲などの人々を救う思想が隠れてしまっている。また、超能力を身につけることができることを売りにしている宗教も変だ。超能力を身につければ人々は幸せになれるのか? 
バビル2世やサイボーグ009は幸せだったかな。
 
・二言目にはお金という
  お布施や寄進は、大切な修行ではあるが、強制されてやるものではないし、また、たくさんお金を差し出したからといって御利益があるわけでもない。
もし、そうだとしたら、神様はたんなる商売になっちゃう。ここのところに気をつけないと。お金で御利益を買う宗教は間違っている。こういう宗教のグループリーダーは良く言うものだ。 「何々さんは100万円献金したら、こんな奇跡があったんですよ。」 新宗教の教祖の多くは、調べてみると貧困と不幸からの脱却を目指して宗教を興している。2代目3代目になり、教祖の心は失われ、金儲けに走っているのだろうか?
 
・明らかに間違った教義である
  いくつかの教団発行の教義や解説書を読ませてもらった。詳細は省くが、
余りにも仏教やキリスト教に対して知らない教団がある。仏教系、キリスト教系だと言っているのにだ。また、知っているなと思っても、かなり歪曲して理解し、信者に説いている。提督は宗教上の解釈について述べているのではない。今現在明らかになっている歴史研究上の事実や基本宗教哲学について述べているのである。提督は思うのだが、これがダマされてしまう根本原因のような気がする。人々は宗教に関して余りにしらない。聖書を読んだことがある人が何人いるだろう。自分の属しているお寺の宗派について解説できる人が何人いるだろう。本物を見たことがなければ、偽物を売りつけるのは簡単な事だ。クリスマスを楽しみ、お盆休みはしっかり取るのに。また、本物を少しでも知っていれば、例えその時は騙されても、後で気づくと思う。この、根本経典における事実の歪曲(仏教で言えば法華経、般若経など)は、かなり大きな宗教団体でも行われている。釈迦より自分たちの宗祖の方がはるかに優れていると宣伝している仏教系の教団だ。
 
・反社会的である
 出家するということと、反社会的であるという事はまったく別のことである。
明らかに信者でない一般の人々に対して敵対する行為を行う教団は、もはや宗教とは呼べない。そんなのは泥棒や強盗と同じだ。どんな理論を並べてみたところで、言い訳でしかない。宗教の目的は人々の根本的な救済ではないのか?


結論

 宗教団体は、本当に不思議な集団である(事が多い)。皆さん騙されることなく、正しい選択をしましょう。提督は女に騙されないように気をつけます。でも、騙されているって分かっていても幸せなときもあるんだよなあ、女も宗教も
 



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