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 屋台通りは、夜になると別の顔を見せる。昼間に来たときとは、まるで勝手が違った。人の波は多少引くが、店はまだまだ元気なのだ。

 時刻は十時を回っているが、ほとんどの店は営業を続けている。我々が選んだのは大衆食堂風の店。観光客のみならず、地元の人も食べに来る。

 店頭に並んだ料理の数々に驚かされた。これ見本だよな?

 遅くなったけど、やっとこさ本格的な今日の晩ご飯。キムチ、カクテキはデフォルトで出てくる。もう慣れた。

 しかし、ここの料理マジでンまーい! 今日のお昼、免税店巡りをする途中で旅行会社指定の石焼きビビンバを食べたのだけれど、それは「え〜〜?」とか思いたくなる代物でした。しかしここの店はマジで大当たり! 本物の韓国、家庭の味だー!

 プルコギは白い飯がいくらでも入りそうな焼き肉! 韓国お好み焼きチヂミも酒がすすむー! 酒と言えば「マッコリ」とかいう甘酒系のどぶろくが旨かったー。

 そして特筆すべきはこのチゲ鍋でしょう。正式名称は失念したが、なんでも軍人が戦地で食べていたチゲ鍋だとか。

 具はソーセージにハムの切り身。棒状のモチ。それにインスタントラーメンを投げ入れてある(韓国でラーメンといえば、それはすなわちインスタント麺を指すそうだ)。
 なんか安っぽく見えるでしょ? でもこれがまた底抜けにンまーい!(他に語る舌を持たぬ!)

 豪勢でなくとも、肉でなくとも旨いものは旨いのだ! 真理ッ!(ガカッ)

 肉以外の旨いものに、ここで一気に出会えたよ……チャグンヘンボク。

 あぁ、腹一杯。時刻はすでに「明日」になろうとしている。しかし、それでもこの屋台通りはまだ息づいているのだ。

 ぶらり、ぶらりと露天をひやかしながら歩いていった。深夜であるにもかかわらず、大音量で音楽を流す露天があった。CDを売っているらしい。ていうかこれ……ユーロビート? うわっ、本物の『K-ユーロ』だ!

 と、いうわけで。7000ウォン(700円)でした。
 リー・ジュン・ヒュンであってるのかな?

 タイトルは「あいらぶなちゅらる」で正しい……はず。

 屋台通りのはずれに来て初めて、深夜の街っぽくなった。ここで合流した大通りで、タクシーを捕まえてホテルまで帰りました。

 安い方の「一般タクシー」だったのだが、オリンピックやサッカーの影響で、一般タクシーもそれなりにマナーが良い。当たりはずれはあるけど。

 ここで捕まえられたのは、かなり上品なタクシーであった。ちょっと安心。

 夜の闇はさらに暗く、空気はしんしんと冷たくなってきている。そうだ、忘れかけていた。今は深夜なのだ。

 韓国最後の夜が、さらに深くなってゆく。

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